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[Voice of 3keys vol.10-2] 学習支援事業prêle チューター Aさん

2016.10.20

[Voice of 3keys vol.10-2] 学習支援事業prêle チューター Aさん

落ち込んだときには励まして、乗り越えてもらいたいです。彼は伸びますよ。

 
 

Voice of 3keys、第10弾後編です。
前回に続きチューターAさんのインタビューです。生徒さんと接するときに心がけていることや、指導を通じてAさん自身がどう変わったかなどをお届けします。このインタビューを通じて、3keysの活動に理解を深めていただけると幸いです。

 
 
 

Q;指導をする中で難しいことは何ですか?

 

難しいのは、彼は中3の割に感情の起伏の激しいところがあるので、その調子に合わせて教えることです。気分がのっているときは、自分から「やりましょう!」とすすんで勉強するのですが、少しテストができなかったりすると、落ち込んで「俺なんかダメだ、何やってもダメだ」と投げやりになるところがあります。もともとやる気のある子なので、自分なりに頑張ってきたのに、という思いも強いんでしょうね。

 

 

そういうときは「そのくらいは当たり前だから!」「もう一回やれば大丈夫だから」と、繰り返し声をかけて、とにかく励ますようにしています。

 

細かいことで何度も同じミスをしたときは「もったいないよ」とか、「点数ひかれちゃうよ」などと注意はしますが、怒ったことはないですね。

 
 

Q;生徒さんと接するときに心がけていることはありますか?

 

昔自分が教えていた子より、雑談的に彼の話を聞いてあげることが多いです。もちろん施設の職員の方もフォローはされているのでしょうが、身近に話を聞いてあげる人が少ないみたいで。すぐそばに親がいる子と比べると、彼は我慢している部分が多いのではないかと感じます。私が聞いてあげたとしても、やっぱり親には及ばないだろうと思いますけど、授業が終わった後、バスの時間をみて15~20分話をすることが多いですね。

 

対応は大人と変わらないですよ。2歳の子と話しているわけではないので、社会的には子どもといえども対等な関係で話そうと心がけています。彼がきちんと考えていることに対してきちんとフィードバックするというか、僕はこう思うけどね、という感じで返そうとしています。例えば彼が有名なサッカーの選手について「世間にもてはやされているけど、この選手のこういうところが気に入らないんだ」と言ったら、「ああそうなんだ、僕はサッカーに詳しくないけど、詳しい人はそういう見方ができるんだね」と彼の視点を認めてあげる形で返したり、そういったコミュニケーションをしています。

 

仕事と同じで、より話が盛り上がるように、かつ近づきすぎず離れすぎずの距離感を大事にしています。近づきすぎず、というのは、生い立ちやご両親のことなど、彼のプライベートについて、あまり深く聞かないように。彼のほうから口に出すこともありますが、深堀りせず、でもそこだけはきちんと聞いてあげることにしています。逆に、所詮子どもだからと突き放したり勉強の話しかしなかったりというのは、離れすぎている感じで、そういう接し方は違うかなと思います。彼の日常生活についてコミュニケーションをとって、勉強以外の話も聞いてあげることが離れすぎないことだと思います。

 
 

Q;今後どのように指導していきたいですか?

 

受験を控えていますが、過去の自分の経験として、受かろうが失敗しようがこれからの人生にそんなに影響はないと思います。そのときはうれしい、悲しい、という感情がありましたけど、長い目で見たら、どうということはないので。ただ彼がこの期間にそれなりに勉強して頑張っていく手伝いができたら、それでいいのではないかと思っています。ボランティアとしてできることにも限界があるので、変に成績を上げることだけにこだわらず、落ち込んだときには励まして、乗り越えてもらいたいです。彼は伸びますよ。根はきちんと素直でいい子なので。

 

 
 

Q;仕事と家庭(子育て)に加え、ボランティア活動をやっていくのは大変ではないですか?

 

毎週、自分のモチベーションを維持して教えに行くことは、やはり大変です。児童養護施設は遠方にあることが多く、私の行っている施設も最寄り駅からバスで15~20分かかります。その日は仕事を定時で終えて行くのですが、そこから家に帰るにも40~50分かかるので、帰宅すると夜の10時、10時半になります。定時であがったぶん、前後の日に仕事のしわ寄せがいくので、きついと感じることもあります。ただそれは自分が1年間やろうと決めたことなので、がんばろうと思っています。

 

妻は「やりたいならやっていいよ」と言ってくれているので、申し訳ないとは思いつつ、続けていますね。娘は今、可愛い盛りですが、学習支援は週に一回で土日の時間をとられるわけでもないので、ちょうどいいかなと思います。

 

自分が人生の中で経験してみたかったという気持ちと、あと決めた以上は1年間続けようという気持ちがモチベーションですね。

 
 

Q;活動を通じて自分が変わったと思うことはありますか?

 

仕事の話になりますけど、児童養護施設の環境や、そこにいる子どもたちの気持ちが少し分かるようになったので、そのような視点は身についたかなと思います。それは自分が仕事をしていく中で、知らず知らずプラスになるのではないかと思います。見方、感じ方が広がりましたね。

 

あと、児童養護施設を卒業した子どもたちに対して後見人になる制度があるんです。今の事務所には成年後見と言ってお年寄りの後見人はいますが、子どもの後見、未成年後見については専門家がいないので、それを将来的に自分の専門分野の一つにしていきたいと思うようになりました。その仕事に取り組んだときには、今まさに現場に携わっているので間違いなくプラスになると思います。法律的な見方だけで取り組むのではなくて、自分がボランティアをやった感覚を忘れずにやっていきたいです。

 
 

Q;これからチューターになりたいと思っている人に一言お願いします

 

このような活動に取り組もうという気持ちがあるのであれば、ぜひやってほしいです。妻も言っていますけど、誰でもできるわけではないですし。私は仕事をするときに単に給料を得ることを目的にするのではなく、その仕事をやることで自分が社会の中で果たす役割についてよく考えるのですが、そういった社会的意義が大きいので、迷っているのであれば、ぜひやるべきだと思います。

 
 

Q;寄付者の方にメッセージをお願いします

 

自分がこういう形で学習支援ができるのは、コーディネートしてくれる3keysのような団体があるからで、その活動には多くの資金が必要なはずです。それを寄付という形で支えてくださっている方々には、現場レベルでボランティアとして活動している私からもありがたいと感じます。長く続けてもらえればと思います。すみません、月並みですけど。

 
 
 

※インタビュー後記
Aさんは、とてもまっすぐな人でした。話し方は明快で、揺るぎない感じを受けました。最初は司法書士という職業柄、どんな相手にも明確に伝わるような言い方や前向きな表現を心がけているのかな、と思ったのですが、話を聞くうちに、この人は心の底からそう思っているんだ、と感じるようになりました。
「この子はきっと伸びますよ」と信じて接してもらえる子どもは幸せだと思います。これからも、彼の話をしっかり聞いて、支え続けてあげてほしいです。

 
 
 

※本記事はマンスリーサポーター(月額寄付会員)向けのメールマガジン用に作成した記事をWebサイトに転載しています。
 

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