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[Voice of 3keys vol.2-2] 元スタッフ/施設出身者 向井さん

2015.07.24

[Voice of 3keys vol.2-2] 元スタッフ/施設出身者 向井さん

昔の自分へ。「なんとかなるよ!」

3keys 元インターンスタッフ 向井さんインタビュー後編

◆3keysで活動していた頃

3keysで活動し始めたきっかけは何ですか?

何かしらの形で施設に関わりたいという気持ちがもともとあって、ネットでいろいろ探していたら3keysを見つけました。代表が親しみやすそうだったこと、施設にとって必要な学習支援をしていること、団体に関わっている人の年齢層が若そうで馴染みやすそうということなどから、3keysで一緒に活動したいと感じました。

 

この時は、気持ちの整理、過去の記憶の整理が完全に終わっていたわけではなく、整理の一環としても活動したい、という気持ちでした。
結局、大学1年生の秋頃から始めて、卒業まで所属していました。

 

3keysでの業務内容について教えていただけますか?

大きく分けて4つです。Webサイトなどを利用した広報、イベントなどでのビデオ撮影、学習支援案件の管理、施設アンケートなどによる効果検証です。

 

その中で一番充実していた業務は、やはりビデオ撮影です。3keysでビデオを任されるまで、カメラにすら触ったことがなかったですし、人の顔を直接見るのが苦手だったのですが、カメラを通してなら人を見ることができたので、楽しいと思いました。

 

また、この業務がきっかけで映画を撮ることを考え始めたので、2年生から大学の映画関係のゼミに入り、映画の基礎を学びつつ、3keysでカメラワークの練習していました。この活動も、映画が好きだから撮りたかったわけではなく、施設に関して何らかの形で社会に発信したかったので、その手段として映画を選びました。

 

3keysで活動してみて、良かったこと、学べたことはありますか?

まず良かったことは、映画に出会えたことです。施設に関して僕なりに発信する良い方法を見つけることができました。あとは、色々な人が施設について考えてくれて、良い意味で関わってくれている、ということを知りました。施設にいたころに疎外感を感じていたので、僕にとっては嬉しかったです。

 

3keysのスタッフとしての活動風景
3keysのスタッフとしての活動風景

 

大変だったことはありましたか?

大変だったことは、ビデオ撮影とイベントの受付ですね。人前に出るのが苦手だったので、イベントなど大人数が集まったところでの撮影は、前の方に出て全体を撮ったりもしなくてはいけないですし、受付は人と必ず接さないといけないですし、最初はとても嫌でした。

 

しかし、だんだん慣れてきて最終的には積極的に前に出て撮影できるようになりました!他にも、WEBのバナー編集などもソフトの使い方が全くわからなかったので、できることも少なかったのですが、先輩に助けていただきながら徐々にできるようになりました。

 

また、人間関係がうまくいかなくて、自分が途中で投げ出してしまうのではないかと思い、どこかの団体に所属することに対して不安がありました。ただ、様々な社会人の方々とお話する機会があったので、人との関わり方などたくさんのことを学ぶことができました。

 

途中で辞めたいと思ったことはありますか?

あります。3keysの活動が嫌になったわけではなく、大学での映画撮影が忙しくなったからですね。あとは、自分が3keysの役に立てていないのではないかと考え込んだ時期があって、都内のカフェで代表に相談した記憶があります。でもやっていくうちに、できることが増えていって、そういった悩みも無くなっていきました。

 

ボランティアする前と後で、向井さんご自身の中で変わったことは何ですか?

ボランティアする前は、「してあげる」感覚が強くて、良いことをしているという少し上からな目線がありました。

 

自分が施設にいたときにも、ボランティアの方々がイベントを企画してくれたりミュージカルに連れて行ってくれたりしたのですが、その時に感謝を「言わされて」いました。ミュージカルなどはとても嬉しかったのですが、その、「言わされる」という感謝を強制されることに対してとても違和感を感じていたので、もともとあまりボランティアに対する印象が良くなかったのだと思います。

 

しかし、活動していく中で、自分のしていることは小さいことで、たかが知れていると思うようになりました。実際の指導の現場に行っても、「してあげている」という感覚にはならないような空間でした。おこがましいと思うようになったのだと思います。

 

あとは、カメラが良い例ですが、子どもたちのためにしていると思っていたことが、実は自分のためになることだと気づいた、というのもその理由の1つだと思います。

 

3keysの活動については何か感じたことはありますか?

例えば学習支援については、子どもによっては嫌がる子は必ずいます。でもそれは勉強が嫌だという意味であって、普段あまり勉強を教えてくれる人がいないので学習支援はあった方が良いと思います。

 

また、僕の周りにいる施設出身者の大学進学率は低く、退所後の支援も脆弱です。このような現状は、全国的にもほぼ同様だと思われます。そのため、学習支援は生きる上で役立つ、非常に意義のあることだと感じます。とても助かると思います。

 

その上、学習支援で来てくれる方々は施設外の外部の方なので、外部の社会との関わりを持つきっかけとなるという点も、良いところだと思います。先ほどもお話した、疎外感が和らぐのではないでしょうか。

 

では、学習支援でなくても良いのでしょうか?例えばキャンプやミュージカルでもいい気がします。

これも先ほども少しお話ししたのですが、感謝を強制されるのは嫌ですし、ミュージカルやキャンプなどだと、ボランティアさんと個々で関わることが難しく、結局は施設内の身内としか関れません。僕は継続的に、直接外部の方と関わることができる学習支援の方が良いと思います。

 

映画を撮ってみて気づいたことや感じたことはありますか?

気づいたことで一番大きなことは、施設にいる子どもたちは、制度面と心理面の二つの観点において、「親に強く縛られている」という点です。制度面では、日本は親権が強いので、児童相談所が簡単に里親に子どもを渡すこと(=親権を里親に渡すこと)ができません。

 

同時に、心理面でも日本は家庭主義的な部分が強いので、テレビなど(ホームドラマなど)から「家族はあったかい」というメッセージが多く入ってきます。血がつながっていればなんでも大丈夫、乗り越えられる、というような内容のものです。

 

そのため、施設にいる子どもたちは、家族というものに対する理想だけが膨らんでいってしまいがちです。

 

しかし施設にいる子の多くは、虐待など、家庭に何かしらの問題を抱えています。僕の知っている子でも、親から虐待を受けている子がいました。
でもその子は虐待をされたのに、それでも親のそばにいたいと思っていました。

 

僕はそれを聞いたとき、「何か違うな」と感じました。

 

映画撮影風景
映画撮影風景

 

子どものため、社会制度のために、向井さんが今後やっていきたいことはなんですか?

映画で発信していきたい。僕の強みは「施設出身者であること」と「映像を使えること」だと思っているので、それを存分に活用して啓発運動みたいなことをしていければ良いと思っています。映画を撮り終ったら、またNPOに関わるのも良いかなとも思っています。

 

いま撮っている映画について少しだけ教えていただけますか?

映画で伝えたいメッセージは、「施設の中にある負の連鎖」です。
親からの虐待やネグレクトの経験は、子ども同士による暴力など、様々な形で施設内に持ち込まれます。ひいては経済面のことから、親自身が抱えている、内面的な問題に至るまでです。親や社会からなんでも引き継いでしまう、それが負の連鎖です。

 

現在施設にいる子どもたちに向けて何かメッセージをいただけますか。

僕から言えることはあまりないですね。あんまり簡単に「頑張ればなんとなる!」なんては言いたくないです。

 

ただ、施設にいたときの自分に向けて今言えることは、「なんとかなるよ!」ってことですね。僕のことを知らない人が聞いたら、無責任で楽観的と思われるかもしれないですが、この言葉がたぶん一番しっくりきます。色々考えすぎないで、その時を頑張ればなんとかなります。

 

最後に、支援してくださる方々に向けて何かメッセージをいただけますか。

外部の方からの支援というのは、施設内の子どもたちにとって、疎外感や見捨てられている感覚を小さくします。また、施設の中には勉強を教えてくれる人もいないですから、学習支援で来てくれている方々はありがたいですね。施設にいることで小さくなった世界が、大きく広がると思います。

 

また、施設はどこもお金が足りていないので、職員も多くは雇えない状況です。施設にとってお金は、とても大切な部分です。国がしないのであれば、民間で補っていく。なかなか難しいかもしれないですが、大切なことだと思います。僕が言うのもどうかと思いますが、今後とも何卒よろしくお願い致します。

 

チョコレートケーキと法隆寺

 

向井さんが監督、撮影した映画「チョコレートケーキと法隆寺」は現在鋭意製作中で
す。

 

 
 
※本記事はマンスリーサポーター(月額寄付会員)向けのメールマガジン用に作成した記事をWebサイトに転載しています。
 

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