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代表挨拶

虐待や貧困で頼れる大人が少ない子どもたちと関わり始めたのは、私が大学生の頃。近所にある児童養護施設でたまたまボランティアを募集していたことをインターネット検索で見つけたのがきっかけでした。家庭教師や塾講師としての経験が活かせればと気軽に参加したボランティアでしたが、子どもたち、特に家庭環境に恵まれない子どもたちを見守り、支えてくれる存在の少なさに驚きを隠せませんでした。

いまや母子家庭の約66%、父子家庭の約20%が貧困となっており、子どもを産んだ後、離婚や死別などでひとり親になった時、貧困は覚悟しなければならないと言っても過言ではない世の中になりました。さらに、長時間労働を前提にした働き方の文化の中、仕事をすると子どもに十分な愛情や教育を割くこともままならない現状があります。とりわけひとり親の場合8割以上が働いているにも関わらず、貧困から抜け出せず、子育ても仕事もどちらも十分できない現状にあります。

自分がもし、離婚やパートナーとの死別などでひとり親家庭になったとき、自分の子どもがたどる道はどうなるのか、困窮を避けるためには、寝る間も惜しんで必死に働き、その上で育児をしなくてはいけないのかと思うと、結婚や育児におっくうになる人が増えてしまう現状や、子どもに十分な時間が割けず、子どもたちが孤立してしまう現状に対して、子育て世代だけを責めても何も解決しないと思いました。日本は子どもを育てるにはなんてリスクの多い国なんだろうと思ったのです。

子どもは親を選べませんし、子どもは等しく守られるべきです。そして子どもたちは次の社会を支える担い手です。子どもたちが社会からたくさんの愛情を受けてこそ、次は社会に還元したいと思うものです。親や家庭環境にも恵まれず、他に誰も助けてくれなければ、大人を恨み、社会を憎み、それが深刻になると犯罪を犯したり、絶望から自分を傷つけることだって恐れなくなります。結局は私たちに、そして社会に、私たちが行ったツケは回ってくるのです。何よりどんな理由があれ、ないがしろにされていい子どもなんていません。

ボランティア活動をしていた時、こういった現状を変えるために、ひとりができることはとても小さいと思いました。私が空いた時間に教えらえる子どもはせいぜい3人くらいで、1年に13万件もの虐待が発見され、7人に1人が貧困な現状には到底追い付かないと思い、組織を立ち上げました。こんなに深刻な状況に置かれた子どもたちを見て、これまで通りの生活を送ることはできないと思ったからでもあります。けれども、一つの組織だけでできることもとても小さいと思っています。直接支援していることだけに満足してはいけないと思い、発信にも力を入れ、2016年からは様々な支援機関と手を取って支援ができる、10代向け支援サービス検索・相談サイト「Mex(ミークス)」も立ち上げました。

しかし、様々な事業を立ち上げる中でもまだ道のりは長く、今の事業の形には満足してはいけないほど、孤立し、絶望しているたくさんの子どもたちを目の当たりにします。子どもたちに「誰かに頼ることができない」環境を作ってしまったことは一人の大人として、とても恥ずかしいことであり、申し訳ないことだと感じています。

どんな環境で生まれ育っても、ないがしろにされていい子どもはいません。そう感じる子どもがいなくなるまで、この仕事を続けていきたいと思っています。ぜひ、より多くの子どもたちを支えられるよう、一緒に子どもたちを応援いただけたら嬉しいです。

森山誉恵(モリヤマ タカエ)
慶應義塾大学法学部卒業後、子どもたちの生まれ育った環境によらず、必要な支援が行き届くことを目的としたNPO法人3keysを設立。東京都共助社会づくりを進めるための検討会委員。全国子どもの貧困・教育支援団体協議会幹事。現代ビジネスでの連載をはじめ、子どもの格差の現状を講演・執筆・メディアなどで発信中。

<受賞・表彰歴>
2011年:社会貢献者表彰 社会貢献部門受賞
2016年:第30回人間力大賞(青年版国民栄誉賞)受賞

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