認定NPO法人 3keys 認定NPO法人 3keys

文字サイズ

MENU

孤独、虐待、貧困、いじめ、不登校、望まない妊娠、自殺願望 …

児童虐待、不登校、いじめ、自殺、貧困、望まない妊娠等、子どもや若者を取り巻く現状がとても不安定になっていることをニュースなどで感じている方も多いのではないでしょうか。児童虐待は2017年度に13万件(前年度12万件)を超え過去最高値となりました。また、7人に1人の子どもが貧困状態に置かれています。子どもたちの基盤となる家庭の中で、虐待や貧困に苦しむ子どもたちも少なくありません。

家庭に次ぐ子どもたちの居場所である学校では不登校が19万人(前年度13万人)、いじめが41万件(前年度32万件)と、どちらも過去最高値となりました。子どもたちにとって主要な居場所であるべき家庭と学校が、安心できる場所ではなく、暴力や暴言、貧困やいじめなどに苦しむ場所になりつつあります。

かつてに比べ、近所づきあいや親戚づきあいも減ってきていたり、新たな居場所となりつつあるインターネットやSNSなどは、安全な環境が保障されていません。塾や習い事、趣味などを楽しむ場も、家庭の経済的な余裕や親の理解がないと利用できないものが多くなっています。

  • 悩みを相談できる相手がいない 中学生5人に1人、高校生2.5人に1人
  • 15〜19歳の死因1位、10〜14歳の死因2位が自殺
  • 自分自身に満足している若者45%

子どもを取り巻く環境整備・社会保障が不十分

超少子高齢化が進んでいる日本では、社会保障費の中で子どもの分野への支出や教育費の比重もますます低くなり、家庭や教員といった一部の大人の負担も重くなってきています。子どもの貧困率は14.3%とOECD平均より高く、ひとり親家庭の貧困率に関しては50%を超え、世界で最低レベルとなっています。

さらに、子育てを前提にした就労環境も不十分で、働いても貧困から脱することができないのが日本の子育て環境の現状です。現にひとり親の場合、8割以上は働いており、世界で最も働いているのに、最も貧困率が高いという状況にあるのです。その結果、家庭環境によって子どもが受けられる教育・愛情にも大きな差が生まれてしまっています。

学校においても日本の教員ひとりあたりの勤務時間や業務の種類、担当する生徒数も世界的にも非常に多く、教員の精神疾患による休職者も増加傾向にあります。今の学校は子どもたちにわかりやすく授業を教えたり、子どもたちの悩みに寄り添える余裕はなかなかありません。さらに日本はGDPと比較した行政による教育支出は世界でも最下位になっており、子どもの教育の真の担い手は家庭の意識や経済的余裕、学校外教育にゆだねられているといっても過言ではありません。つまり、どんな家庭で生まれ育ったかによって、学力や進路、さらに言えば学校に居場所を感じられるかについても大きな格差が生じているのです。

子育てや子どもの教育を家庭と学校だけにゆだねない社会にしていくこと、家庭や学校の格差を減らしていくこと、家庭と学校以外に子どもたちの安全な居場所を増やすこと、それに関われる大人を増やすこと、それらを維持できる予算を増やすこと、社会全体で子どもたちを見守る社会にしていくこと… 子どもたちの安心安全な育ちを守るために、やるべきことはとてもたくさんあるのです。

<出典一覧> ※1:OECD「Education at a Glance(2015)」、※2:社会保障費用統計(国立社会保障・人口問題研究所)、※3:厚生労働省(2009)「子どもがいる現役世帯の世帯員の相対的貧困率の公表について」報道資料2009年11月13日、※4:2011年11月 独立行政法人労働政策研究・研修機構「子どものいる世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査」、※5:OECD「TALIS2013」、※6:国立大学法人お茶の水女子大学「平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」