2019年5月~9月に実施したクラウドファンディング「A-port」へご支援いただき、本当にありがとうございました。その後、いくつかの施設に声掛けをさせていただき、児童養護施設1つと、母子生活支援施設1つでの支援が新たに決定いたしました! 児童養護施設は虐待などで保護された2〜18歳までが暮らす施設で、母子生活支援施設は18歳未満の子どもを養育している母子家庭などの母親が、子どもと一緒に暮らす施設です。
改めて突きつけられた、導入時の子どもたちの学力
学校でも家でも丁寧に向き合ってもらったことがない子どもが多い中で、誰も子どもたちの今の学力を正しく把握していないことがほとんどです。3keysは支援開始時に必ず学力の判定を行います。新しく支援する施設でも、数の概念がない、ひらがな・カタカナがまだ書けない等、幼児レベルから遅れているケースが多かったです。施設の職員のみなさんも、「こんなに遅れてたのか…」と判別テストを見て、驚きやショックを受けていました。
大切なのは、大人と協力して、少しでも毎日学習する環境を作ること
小学生の支援は「平日毎日10~20分、学力相当の勉強ができる環境をどう日常的に作るか」をコンセプトに組み立てています。しかし、「今でも勉強嫌いなのに、毎日勉強させるのはかわいそう」といった意見が施設職員や母親から出ます。
それはとても自然な意見ですが、一方で新しいことを学んでいくことや、知識が増えることは本来はとても楽しいことなはずです。勉強が嫌いになるのは、子ども一人ひとりの学力や進度とマッチしていないもの、時にはそれを完全に無視した形で進めるから、つまらないもので嫌いなものになっていくのです。
その考えを、まず大人に理解してもらい、あきらめずに働きかけてもらうことが、小学生の学習支援では一番の鍵です。今回は母親にもその理解を進める必要があり、これまでよりも多くの方と思いを共有していくことが私たちにも試されています。
より多くの子どもたちへ、学ぶ喜びを届けるために
今回、クラウドファンディング中、記事で取り上げていただいたことをきっかけに、同じような悩みを抱えており、教材を使いたいという声を各地からいただきました。現在、その準備も進めています。私たちも、市販の教材や、あらゆる学習塾さんに声をかけて教材を探しましたが、適切なものが見つからず苦労してきたので、諦めずにやってきたことが他の支援者や、その先にいる子どもたちの役に立てられることに喜びを感じています。
子どもの分野の成果というのは一朝一夕に結果がでるものでもないと思っています。公教育の在り方が根本的に変わるまで、私たちは支援を続けていきます。本来は楽しいはずの学習をもう一度好きになれるよう、今後もぜひ応援のほど、よろしくお願いいたします!
※こちらの記事は、2020年1月に寄付者の方々に郵送させていただいた活動レポートを編集して作成しました。寄付者のみなさまには、活動報告をまとめた毎月のメールマガジンの配信や、年次報告書・領収証などを郵送させていただきます。また、認定NPO法人である3keysへのご寄付は税控除の対象となり、寄付額の最大50%が還付されます。マンスリーサポーターが増えることは、3keysが安定的に支援できるキャパシティを増やしていくことにつながります。社会全体で子どもたちを支えるために、ぜひご支援をお願いいたします。https://3keys.jp/donation/supporter