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子どもの権利とデータで見る
「子どもたちの今」

世界中すべての子どもが、心身ともに健康に、自分らしく育つための権利を、「子どもの権利」といいます。子どもの権利は大きく「生きる権利・育つ権利・守られる権利・参加する権利」の4つの権利に分かれています。日本も1994年に世界で158番目(196か国中)にこの権利が定められている「子どもの権利条約」に批准しました。つまり、日本にいるすべての子どもたちにも、これらの権利は保障されるべきということです。

しかし、家庭環境によって、また教育を受ける学校環境によって、そして健全な第三のコミュニティが存在するかによって、子どもたちの権利が保障されているか否かには 大きな差が生まれてしまっています。

「生きる権利」が保障されない子どもたち

「生きる権利」とは、すべての子どもの命が守られる権利です。

しかし、日本でも児童虐待によって命をなくしている子どもたちは後を絶ちません。厚生労働省の調査によると、2007年1月から2016年3月末の約10年間で、児童虐待で命を亡くした子どもは無理心中によるものも併せて約1,000人となっており、年間約100件ほどに上ります。また、日本小児科学会の 2016年の発表によると、虐待で死亡した可能性のある15歳未満の子どもは全国に年間約350人に上るとされています。さらに、10〜14歳の死因の2位、15〜19歳の死因の1位は自殺となっており、子ども・若者の自殺率の高さも大きな問題となっています。

経済的発展を遂げ、医療も発達した日本で、いまだに「生きる権利」が保障されない環境で育つ子どもたちがたくさんいる状況にあるのです。その背景には、若い世帯や子育て世帯の貧困や、孤立、就労の不安定さなどがあり、親を責めるだけでは解決できない社会全体の問題が潜んでいます。

「守られる権利」が保障されない子どもたち

「守られる権利」とは、あらゆる種類の虐待や搾取などから守られることをいいます。

厚生労働省のまとめによると、全国の児童相談所(電話番号:189)で相談や通告を受けた児童虐待件数は 2017年度に13万件を超えました。児童虐待が社会問題化し、通報されるようになったことが増加の背景にあるのですが、一方で、毎年増え続ける通報数から、まだ埋もれている児童虐待もたくさんある可能性も窺えます。また、児童虐待の通報数は大幅に増えた一方で、児童養護施設や里親の受け皿の量は大きく変わっていません。

虐待を受けていながらも発見されなかったり、発見された後も十分なケアを受けられず、再び虐待や孤立下に置かれた子どもたちにもたくさん出会ってきました。その子どもたちの中には、虐待を受けていると知りながらも何もしてくれなかった大人や社会を恨むケースも少なくありません。

その他にも、学校での体罰に悩む子どもたちや、近年問題となっている「ブラックバイト」など、不当な労働を強いられながらもひとりで悩みを抱えている子どもたちもいます。

「育つ権利」が保障されない子どもたち

「育つ権利」とは教育を受け、休んだり遊んだりできることや、考えや信じることの自由が守まもられ、自分らしく育つことができることをいいます。

子どもたちにとって家庭と同じくらい大きな存在なのが、学校です。生活の半分を占める学校にて子どもたちの安心・安全な環境を担保することはとても大切です。しかし、2016年のいじめの件数は32万件に上り、前年度より10万件も増えました。また同年の小中学校の不登校者数(年間の欠席日数 30 日以上)は約13万人に上ります。生活の半分以上を過ごす学校に居場所がない子どもたちが増えているのです。

18歳以下の自殺が、新学期に多くなることからも、子どもたちにとって学校という空間が決して居心地のよいものになっていないことが窺えます。10~14歳の死因の2位、15~19歳の死因の1位は自殺となっており、子ども・若者の自殺率の高さも大きな問題となっています。

さらに近年、多くの子どもたちが放課後も塾に通っている中で、教育は学校だけで行うものではなくなってきています。「教育格差は放課後に起こる」とも言われており、放課後に塾に行けるかどうかによって、学校での成績や、授業に遅れることなく学習できるかが変わってきてしまう現状があります。

家庭環境によっては、最低限の宿題の面倒見や持ち物の用意すらできないこともあります。さらに、幼い頃から育児放棄などの虐待を受けてきた子どもたちと、絵本を読んでもらったり、買い物や旅行などでたくさんの物事に触れてきた子どもたちにとの間には、学力基盤で大きな差が生じてしまっています。

本来であれば、子どもたちの学ぶ意欲を育て、学習習慣や社会性を身に付けていくための学校が、家庭環境の差を突きつけられたり、いじめに合うなどして「行きたくない」場所にな りつつあります。

また、放課後や週末の塾文化が浸透してきている中、子どもたちが思う存分遊んだり、休まる時間が奪われつつあります。子どもを取り巻く事件・事故も増えてきている中で、公園や休日の遊びは保護者が付きそう必要性や金銭的負担が高まっていますが、共働き世帯の増加や核家族化が進む中、遊びやお出かけが十分にできないケースも少なくありません。

「参加する権利」が保障されない子どもたち

「参加する権利」とは、自由に意見を表したり、集ってグループをつくったり、自由な活動を行ったりできる権利です。

学校でのいじめや体罰、家庭内での虐待、自由時間の少ない放課後や週末を過ごしている中で、子どもたちが本当の意味で自由に意見を表したり、集まってグループを作れる機会はどれだけあるでしょうか。

3keysが運営している10代向けの支援サービス検索・相談サイト「Mex(ミークス)」には子どもたちからたくさんの相談が寄せられていますが、その中には「親や先生、友達には自分が悩んでいることを知られたくない」「匿名でないと相談できない」といった要望が多いです。

国際比較でも日本の子どもたちの自己肯定感は低い傾向にあり、社会現象を変えたり、うまくいくかわからない不確実なことへの意欲はとても低い状況にあります。

<出典一覧> ※1:東京都福祉保健局(2005)、※2:厚生労働省、※3:厚生労働省「第14回新たな社会的養育の在り方に関する検討会」、※4・※5:厚生労働省「自殺対策白書」※6:「学力低下」の実態(苅谷剛彦・岩波ブックレットNo.578)、※7:内閣府「H26 子ども・若者白書」